2019年01月24日

第7433号 その2


 
■歌会始の儀

 1月16日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。

         光

  御   製
贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に

  皇后宮御歌
今しばし行きなむと思う寂光に園の薔薇のみな美しく

東   宮 

雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰の峰に

東 宮 妃 

大君と母宮の愛でし御園生の白樺冴ゆる朝の光に

文仁親王 

山腹の洞穴深く父宮が指したる先に光苔見つ

文仁親王妃 紀   子 

日の入らむ水平線の輝きを緑閃光と知る父島の浜に

眞子内親王 

日系の百十年の歴史へて笑顔光らせ若人語る

佳子内親王 

訪れし冬のリーズの雲光り思ひ出さるるふるさとの空

正仁親王妃 華   子 

つかの間に光る稲妻さ庭辺の樹木の緑を照らしいだし来

寛仁親王妃 信   子 

被災者の苦労話を聴きにける七歳が光れる一語を放つ

彬子女王 

らふそくの光が頼りと友の言ふ北の大地を思ひ夜更けぬ

憲仁親王妃 久   子 

窓べより光のバトンの射し込みて受くるわれたのひと日始まる

承子女王 

朝光にかがやく御苑の雪景色一人と一匹足跡つづく

召 人 鷹羽狩行 

ひと雨の降りたるのちに風出でて一色に光る並木通りは

選 者 篠  弘 

手づからに刈られし陸稲の強き根を語らせたまふ眼差し光る

選 者 三枝昂之 

歳歳を歩みつづけて拓く地になほ新しき光あるべし

選 者 永田和宏 

白梅にさし添ふ光を詠みし人われのひと世を領してぞひとは

選 者 今野寿美 

ひとたびというともかげりおびてのち光さすとはいひけるものを

選 者 内藤 明 

日の光人の灯に移りゆく川沿ひの道海まで歩む

   選  歌(詠進者生年月日順)

高知県 奥宮武男 

土佐の海ぐいぐい撓ふ竿跳ねてそらに一本釣りの鰹が光る

山梨県 石原義澄 

剪定の済みし葡萄の棚ごとに樹液光りて春めぐり来ぬ

福島県 逸見征勝 

湿原に雲の切れ間は移りきて光りふくらむわたすげの絮

奈良県 荒木紀子 

大の字の交点にまづ点火され光の奔る五山送り火

栃木県 大貫春江 

分離機より光りて落ちる蜂蜜を指にからめて濃度確かむ

岡山県 秋山美恵子 

光てふ名を持つ男の人生を千年のちの生徒に語る

福岡県 瀬戸口真澄 

ぎりぎりに光落とせる会場にボストン帰りの春信を観る

岡山県 重藤洋子 

無言になり原爆資料館を出できたる生徒を夏の光に放つ

秋田県 鈴木 仁 

風光る相馬の海に高々と息を合はせて風車を組めり

山梨県 加賀爪あみ 

ペンライトの光の海に飛び込んで私は波の一つのしぶき





 
2019年1月24日 官報第7433号 




 
posted by へむ at 16:16| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする