2018年01月18日

第7184号 その1


 
■歌会始の儀

 1月12日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。

    語

  御   製
語りつつあしたの苑を歩み行けば林の中にきんらんの咲く

  皇后宮御歌
語るなく重きを負ひし君が肩に早春の日差し静かにそそぐ

東   宮 

復興の住宅に移りし人々の語るを聞きつつ幸を祈れり

東 宮 妃 

あたらしき住まひに入りて閖上の人ら語れる希望のうれし

文仁親王 

村人が語る話の端々に生業の知恵豊かなるを知る

文仁親王妃 紀   子 

人びとの暮らしに寄りそふ保健師らの語る言葉にわれ学びけり

眞子内親王 

パラグアイにて出会ひし日系のひとびとの語りし思ひ心に残る

正仁親王妃 華   子 

遠き日を語り給へる君の面いつしか和みほほゑみいます

寛仁親王妃 信   子 

我が君と夢で語りてなつかしきそのおもひでにほほぬれし我

彬子女王 

祖母宮の紡がれたまふ宮中の昔語りは珠匣のごとく

憲仁親王妃 久   子 

学び舎に友と集ひてそれぞれに歩みし四十年語るは楽し

承子女王 

友からの出張土産にひめゆりの塔の語り部をふと思ひ出づ

絢子女王 

気の置けぬ竹馬の友と語り合ふ理想の未来叶ふときあれ

召 人  黒井 千次 

語るべきことの数々溢れきて生きし昭和を書き泥みゐる

選 者  篠   弘 

街空に茜は冴ゆれ語らむと席立ちあがるわが身の揺らぐ

選 者  三枝 昂之 

語ることは繋ぎゆくこと満蒙といふ蜃気楼阿智村に聞く

選 者  永田 和宏 

飲かうかと言へばすなはち始まりて語りて笑ひてあの頃のわれら

選 者  今野 寿美 

歌びとは心の昔に触れたくてたそがれ色の古語いとほしむ

選 者  内藤  明 

語り了へ過ぎにし時間かへり来ぬ春の雪降る巻末の歌

   選  歌(詠進者生年月日順)

アメリカ合衆国カリフォルニア州  鈴木 敦子 

母国語の異なる子らよ母われに時にのみ込む言葉もあるを

長野県  塩沢 信子 

片言の日本語はなす娘らは坂多き町の工場を支ふ

広島県  山本 敏子 

広島のあの日を語る語り部はその日を知らぬ子らの瞳の中

福井県  川田 邦子 

突風に語尾攫はれてそれつきりあなたは何を言ひたかつたの

長崎県  増田あや子 

いつからか男は泣くなと言はれたり男よく泣く伊勢物語

東京都  川島由起子 

耳元に一語一語を置きながら父との会話またはづみゆく

神奈川県  三玉 一郎 

語らひに時々まじる雨の音ランプの宿のランプが消えて

神奈川県  浜口 直樹 

多言語の問診票を試作して聴くことの意味自らに問ふ

新潟県  南雲  翔 

通学の越後線でも二ヶ国語車内放送流れる鉄橋

長崎県  中島由優樹 

文法の尊敬丁寧謙譲語僕にはみんな同じに見える





 
2018年1月18日 官報第7184号 




 
posted by へむ at 15:21| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする