2017年01月19日

第6939号 その1


 
■歌会始の儀

 1月13日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。

        野

  御   製
邯鄲の鳴く音聞かむと那須の野に集ひし夜をなつかしみ思ふ

  皇后宮御歌
土筆摘み野蒜を引きてさながらに野にあるごとくここに住み来し

東   宮 

岩かげにしたたり落つる山の水大河となりて野を流れゆく

東 宮 妃 

那須の野を親子三人で歩みつつ吾子に教ふる秋の花の名

文仁親王 

山腹の野に放たれし野鶏らは新たな暮らしを求め飛び行く

文仁親王妃 紀  子 

霧の立つ野辺山のあさ高原の野菜畑に人ら勤しむ

眞子内親王 

野間馬の小さき姿愛らしく蜜柑運びし歴史を思ふ

佳子内親王 

春の野にしろつめ草を摘みながら友と作りし花の冠

正仁親王妃 華  子 

野を越えて山道のぼり見はるかす那須野ヶ原に霞たなびく

召 人 久保田淳 

葦茂る野に咲きのぼる沢桔梗冴えたる碧に今年も逢へり

選 者 篠弘 

書くためにすべての資料揃ふるが慣ひとなりしきまじめ野郎

選 者 三枝昂之 

さざなみの関東平野よみがへり水張田を風わたりゆくなり

選 者 永田和宏 

野に折りて挿されし花よ吾亦紅あの頃われの待たれてありき

選 者 今野寿美 

月夜野の工房に立ちひとの吹くびーどろはいま炎にほかならず

選 者 内藤明 

放たれて朝遥けき野を駆けるふるさと持たぬわが内の馬

選 歌(詠進者生年月日順)
岐阜県 政井繁之 

如月の日はかげりつつ吹雪く野に山中和紙の楮をさらす

東京都 上田国博 

歩みゆく秋日ゆたけき武蔵野に浅黄斑蝶の旅を見送る

長野県 小松美佐子 

宇宙より帰る人待つ広野には引力といふ地球のちから

千葉県 齋藤和子 

筆先に小さな春をひそませてふつくら画く里の野山を

東京都 平田恭信 

手術野をおほふ布地は碧み帯び無菌操作の舞台整ふ

東京都 西出和代 

父が十野菜の名前言へるまで医師はカルテを書く手とめたり

宮城県 角田正雄 

積み上げし瓦礫の丘に草むして一雨ごとに野に還りゆく

新潟県 山本英吏子 

友の手をとりてマニキュア塗る時に越後平野に降る雪静か

東京都 鴨下彩 

野原ならまつすぐ走つてゆけるのに満員電車で見つけた背中

新潟県 杉本陽香里 

夏野菜今しか出せない色がある僕には出せない茄子の紫





 
2017年1月19日 官報第6939号 




 
posted by へむ at 11:33| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする