2016年01月19日

第6696号


 
■歌会始の儀

 1月14日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。

     人

  御   製
戦ひにあまたの人の失せしとふ島緑にて海に横たふ

  皇后宮御歌
夕茜に入りゆく一機若き日の吾がごとく行く旅人やある

東   宮 

スペインの小さき町に響きたる人々の唄ふ復興の歌

東 宮 妃 

ふるさとの復興願ひて語りあふ若人たちのまなざしは澄む

文仁親王 

日系の人らと語り感じたり外つ国に見る郷里の心

文仁親王妃 紀子 

海わたりこのブラジルに住みし人の詩歌に託す思ひさまざま

眞子内親王 

広がりし苔の緑のやはらかく人々のこめし思ひ伝はる

佳子内親王 

若人が力を合はせ創りだす舞台の上から思ひ伝はる

正仁親王妃 華子 

人と人思はぬ出会ひに生涯の良き友となり師ともなりなむ

寛仁親王妃 信子 

東北の再会かなへし人々の笑みと涙に心やすらけく

彬子女王 

百歳をむかへたまひし祖父宮に導かれこし人生の道

憲仁親王妃 久子 

「げんきです やまこし」といふ人文字を作りし人ら健やかであれ

承子女王 

鳥たちの声に重なる原宿の人の気配と日暮の合図

絢子女王 

出雲路へ集ひし人の願ひ事緑の行方は神のみが知る

召人 尾崎左永子 

駅出でて交差路わたる人の群あたたかき冬の朝の香放つ

選者 篠弘 

集団をたえず動かしつづけきてことば穏しき人となりくる

選者 三枝昂之 

一対の脚が踏ん張る大地あり季節違はず種を蒔く人

選者 永田和宏 

二人ゐて楽しい筈の人生の筈がわたしを置いて去りにき

選者 今野寿美 

いにしへのおほいにしへの大人たちもほほづゑに月見る夜ありけむ

選者 内藤明 

指の跡しるく残れる篠笛を吹きて遙けき人呼ぶごとし

   選 歌(詠進者生年月日順)
福島県 菊池イネ 

休憩所の日向に手袋干しならべ除染の人たしばし昼寝す

宮城県 柴田和子 

野の萩をコップに挿して病棟に人ら坐れば月は昇りぬ

長野県 木内かず子 

橅植ゑて百年待つといふ人の百年間は楽しと思へり

長崎県 渡部誠一郎 

人知れず献体手続してをりぬ伯母を見送るくんちの街に

大分県 佐藤政俊 

二手にと人は分かれて放牧の阿蘇の草原に野火を走らす

神奈川県 内田しず江 

彼等とのつきあひ方と人のごとく語られてゐる人工知能

香川県 大林しずの 

かぎろひの春の手習ひ人の字は左右にゆつくりはらつてごらん

埼玉県 中込有美 

一人でも平気と吾子が駆けてゆき金木犀は香りはじめる

東京都 高橋千恵 

雨上がり人差し指で穴をあけ春の地球に種を蒔きたり

新潟県 内山遼太 

日焼けした背中の色がさめる頃友達四人の距離変化する





 
2016年1月19日 官報第6696号 




 
posted by へむ at 10:51| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする