2014年01月17日

第6210号


 
■歌会始の儀

 1月15日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。

    静

  御   製
慰霊碑の先に広がる水俣の海青くして静かなりけり

  皇后宮御歌
み遷りの近き宮居に仕ふると瞳静かに娘は行ひて発


東   宮 

御社の静けき中に聞え来る歌声ゆかし新嘗の祭

東 宮 妃 

悲しみも包みこむごと釜石の海は静かに水たたへたり

文仁親王 

数多なる人ら集ひし遷御の儀静けさの中に御列は進む

文仁親王妃 紀   子 

いくつものボビンを子らは繰りながら静かにイドリアレースを編めり

眞子内親王 

新雪の降りし英国の朝の道静けさ響くごとくありけり

正仁親王妃 華   子 

秋祭君の挨拶を聞かむとし子供神輿の子らは静らむ

崇仁親王妃 百 合 子 

思ひきや白寿の君と共にありてかくも静けき日々送るとは

寛仁親王妃 信   子 

わが君と過ごせし日々を想ひつつ静かにながるるときありがたき

彬子女王 

夏の夜に子らと集ひし大社静寂の中に鈴の音聞きぬ

憲仁親王妃 久   子 

燈籠のあかりともれる回廊を心静かに我すすみゆく

承子女王 

静けさをやぶる神社の鳥の声日の落ちてよりいづる三日月

典子女王 

かすみゆく草原に立ち眺むればいとど身に沁む静けさのあり

召  人 芳賀 徹 

子も孫もきそひのぼりし泰山木暮れゆく空に静もりて咲く

選  者 岡井 隆 

朝霧のながるるかなた静かなる邦あるらしも行きて住むべく

選  者 篠  弘 

一瞬の静もりありて夕駅へエスカレータは下りに変はる

選  者 三枝昂之 

から松の針が零れる並木道みんな静かな暮らしであつた

選  者 永田和宏 

歳月はその輪郭をあはくする静かに人は笑みてゐるとも

選  者 内藤 明 

手に載せて穴より覗く瓢箪の静けき界に心はあそぶ

     選  歌(詠進者生年月日順)
愛知県 伊藤正彦 

いなづまのまたひらめきし静かなる窓ひとつあり夜とひとりあり

山口県 中西輝磨 

目の生れし魚の卵をレンズもて見守る実験室の静けさ

徳島県 藤本和代 

おほいなる愛のこもれる腎ひとつ静かに収まる弟の身に

北海道 佐藤眞理子 

プレートよ静かにしづかに今しがた生まれたひとりが乗らうとしてゐる

群馬県 山口啓子 

ひとり住む母の暮しの静かなり父のセーター今日も着てをり

大阪府 前田直美 

嫁ぐ日の朝に母は賑やかに父は静かに食卓囲む

福島県 冨塚真紀子 

吾の名をきみが小さく呼捨てて静かに胸は揺らいでしまふ

東京都 樋口盛一 

静けさを大事にできる君となら何でもできる気がした真夏

東京都 中島梨那 

二人分焼いてしまつた食パンと静かな朝の濃いコロンビア

新潟県 加藤光一 

続かない話題と話題のすきまには君との距離が静かにあつた






2014年1月17日 官報第6210号 




 
posted by へむ at 14:01| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする