2013年01月18日

第5967号 その3


 

■歌会始の儀

 1月16日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。

  御   製
万座毛に昔をしのび巡り行けば彼方恩納岳さやに立ちたり

  皇后宮御歌
天地にきざし来たれるものありて君が春野に立たす日近し

東   宮 

幾人の巣立てる子らを見守りし大公孫樹の木は学び舎に立つ

東 宮 妃 

十一年吾子の生れたる師走の夜立待ち月はあかく照りたり

文仁親王 

立山にて姿を見たる雷鳥の穏やかな様に心和めり

文仁親王妃 紀 子 

凛として立つ園児らの歌ごゑは冬日の部屋にあかるくひびく

正仁親王妃 華 子 

蕗のたう竹籠もちて摘みゆけばわが手の平に香り立ちきぬ

崇仁親王妃 百合子 

俄かにも雲立ち渡る山なみのをちに光れりつよき稲妻

憲仁親王妃 久 子 

冬晴れの雲なき空にそびえ立つ雪の大山いともさやけき

承子女王 

立ちどまり募金箱へと背伸びする小さな君の大きな気持

典子女王 

庭すみにひそやかに立つ寒椿朝のひかりに花の色濃く

絢子女王 

冴えわたる冬晴れの朝畦道にきらきら光る霜柱立つ

召人 岡野弘彦 

伊勢の宮み代のさかえと立たすなり岩根にとどく心のみ柱

選者 岡井 隆 

やうやくに行方見え来てためらひの泥よりわれは立ち上がりたり

選者 篠  弘 

ゆだぬれば事決まりゆく先見えて次の会議へ席立たむとす

選者 三枝昂之 

すずかけは冬の木立に還りたりまた新しき空を抱くため

選者 永田和宏 

百年ばかり寝すごしちまつた頚を立て亀は春陽に薄き眸を開く

選者 内藤 明 

遠き日の雨と光を身に堪へ銀杏大樹はビルの間に立つ

選歌(詠進者生年月日順)

北海道 佐藤マサ子 

羽搏きて白鳥の群れとび立てり呼び合ふ声を空にひろげて

埼玉県 若谷政夫 

ほの白く慈姑の花の匂ふ朝明日刈る稻の畦に立ちをり

静岡県 青木信一 

自画像はいまだに未完立て掛けたイーゼル越しの窓が春めく

新潟県 宮澤房良 

何度目の雪下しかと訊ねられ息をととのへ降る雪に立つ

群馬県 鬼形輝雄 

いつせいに蚕は赤き頭立て糸吐く刻をひたすらに待つ

新潟県 高橋健治 

吹く風に向へば力得るやうな竜飛岬の海風に立つ

福島県 金澤憲仁 

安達太良の馬の背に立ちはつ秋の空の青さをふかく吸ひ込む

栃木県 川俣茉紀 

ネクタイをゆるめず走る君の背を立ち止まらずに追ひかけるから

大阪府 瀬利由貴乃 

人々が同じ時間に立ち止まり空を見上げた金環日食

東京都 太田一毅 

実は僕家でカエルを飼つてゐる夕立来るも鳴かないカエル





 
2013年1月18日 官報第5967号 




 
posted by へむ at 15:57| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする