2011年01月18日

第5476号 その2


 
■歌会始の儀

 1月14日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。
        葉
  御製
五十年の祝ひの年に共に蒔きし白樺の葉に暑き日の射す

  皇后宮御歌
おほかたの枯葉は枝に残りつつ今日まんさくの花ひとつ咲く


東宮 

紅葉する深山に入りてたたずめば木々の葉ゆらす風の音聞こゆ

東宮妃 

吹く風に舞ふいちやうの葉秋の日を表に裏に浴びてかがやく

文仁親王 

山峡に直ぐに立ちたる青松の嫋やかなる葉に清けさ覚ゆ

文仁親王妃 紀子 

天蚕はまてばしひの葉につつまれてうすき緑の繭をつむげり

正仁親王 

中庭のにしきぎの葉は赤々と朝の光に燃えるがごとし

正仁親王妃 華子 

新年のおせち料理にそへてもる南天の葉はひきたちてみゆ

崇仁親王妃 百合子 

ほどけしも巻葉もありて今年竹みどりさやかにゆれやまぬかな

彬子女王 

手に取りし青きさかき葉眼にしみて我が学び舎に想ひはせたり

憲仁親王妃 久子 

新年にめでたく飾る楪の葉に若きらの夢たくしたり

承子女王 

葉脈のしをり見つけし古き本思ひではめぐる初等科時代に

典子女王 

雲のなき冬空さえて行く人の落ち葉ふむ音さやかに聞こゆ

絢子女王 

風吹きてはらはらと舞ふ落葉手に母への土産と喜ぶをさな

召人 安永蕗子 

山茶花の白を愛した母思へば葉と葉のあひのつぼみ豊けし

選者 岡井隆 

銀杏落葉ふかくつもれる坂道をのぼりて行かな明日の日のため

選者 篠弘 

白樺の若葉をぬらす昼しぐれ書き出さむわがことば立ちくる

選者 三枝昂之 

哀楽の年々を積みあゆみゆく銀杏並木の今年の黄葉

選者 永田和宏 

青葉木莵が鳴いてゐるよと告げたきに告げて応ふる人はあらずも

     選歌(詠進者生年月日順)

鳥取県 森本由子 

夕凪ぎを柿の若葉に確かめて灰七十キロ無事に撒き終ふ
兵庫県 井上正一 

電源を入れよと妻に声かけてわさびの苗葉に液肥を放つ
山口県 岡本義明 

草の葉の切れ端のこるシャワー室妻は夏日の草を刈りしか
カナダ国ブリティッシュコロンビア州 粟津三壽 

妻の里丹波の村の山椿カナダに生ひて葉をひろげゆく
茨城県 丹波陽子 

一字一字指しつつ読みぬ木簡の万葉仮名の「皮留久佐乃皮斯米」
東京都 吉竹純 

背丈より百葉箱の高きころ四季は静かに人と巡りき
東京都 上田真司 

ささやかな悲しみあれば水底に木の葉が届くまで待ちゐたり
京都府 桑原亮子 

霜ひかる朴葉拾ひて見渡せば散りしものらへ陽の差す時刻
静岡県 中村玖見 

駐輪場かごに紅葉をつけてゐるきみの隣に止める自転車
兵庫県 大西春花 

「大丈夫」この言葉だけ言ふ君の不安を最初に気づいてあげたい





 
2011年1月18日 官報第5476号 




 
posted by へむ at 17:51| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする