2010年01月18日

第5233号 その2


 
■歌会始の儀

 1月14日午前10時30分、宮中において、歌会始の儀を行われた。
 御製、御歌、皇族の詠進歌、召人及び選者の詠進歌並びに選歌は、次のとおりである。

      光

  御製
木漏れ日の光を受けて落ち葉敷く小道の真中草青みたり

  皇后宮御歌
君とゆく道の果たての遠白く夕暮れてなほ光あるらし

       東宮
雲の上に太陽の光はいできたり富士の山はだ赤く照らせり
       東宮妃
池の面に立つさざ波は冬の日の光を受けて明かくきらめく
       文仁親王
イグアスのホタルは数多光りつつ散り交ふ影は星の如くに
       文仁親王妃 紀子
早春の光さやけく木々の間に咲きそめにけるかたかごの花
       正仁親王
父君に夜露の中をみ供してみ園生を行けば蛍光りぬ
       正仁親王妃 華子
大記録なししイチローのその知らせ希望の光を子らにあたへむ
       崇仁親王妃 百合子
雪はれし富良野の宿の朝の窓ダイヤモンドダストのきらめき光る
       憲仁親王妃 久子
北極の空に色づくオーロラの光の舞ふを背の宮と見し
       承子女王
黄金に光り輝く並木道笑顔の友の吐く息白く
       典子女王
葉の上にぽつりと残る雨粒に雲間より差す光ひとすぢ
       召人 武川忠一
夕空に赤き光をたもちつつ雲ゆつくりと廣がりてゆく
       選者 岡井隆
光あればかならず影の寄りそふを肯ひながら老いゆくわれは
       選者 篠弘
金箔の光る背文字に声掛けて朝の書斎へはひりきたりつ
       選者 三枝昴之
あたらしき一歩をわれに促して山河は春へ光をふくむ
       選者 河野裕子
白梅に光さし添ひすぎゆきし歳月の中にも咲ける白梅
       選者 永田和宏
ゆつくりと風に光をまぜながら岬の端に風車はまはる

       選歌(詠進者生年月日順)
        東京都 古川信行
燈台の光見ゆとの報告に一際高し了解の聲
        静岡県 小川健二
選果機のベルトに乗りし我がみかん光センサーが糖度を示す
        群馬県 笛木力三郎
冬晴れの谷川岳の耳二つ虚空に白き光をはなつ
        北海道 西出欣司
前照灯の光のなかに雪の降り始発列車は我が合図待つ
        兵庫県 玉川朱美
梅雨晴れの光くまなくそそぐ田に五指深く入れ地温はかれり
        長野県 久保田幸枝
焼きつくす光の記憶の消ゆる日のあれよとおもひあるなと思ふ
        大阪府 森脇洲子
我が面は光に向きてゐるらしき近づきて息子はシャッターを押す
        東京都 野上卓
あをあをとしたたる光三輪山に満ちて世界は夏とよばれる
        福岡県 松枝哲哉
藍甕に浸して絞るわたの糸光にかざすとき匂ひ立つ
        京都府 後藤正樹
雲間より光射しくる中空へ百畳大凧揚がり鎮まる





 
2010年1月18日 官報第5233号 




 
posted by へむ at 17:14| 歌会始の儀 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする